キング アーサーのここだけの話
暗闇迫りくるジャングル
心神喪失状態のナタリーだが、歩みはゆっくりではあるが着実にバンガローに向かっている。
俺が振り返って目を向ければ、<大丈夫>と言わんばかりに小さくうなづき返す。
暗闇が迫る中、なるべく早くジャングルを抜け出したい。
もしかして俺が足を早めれば、そのスピードについてくるのではないか。
離れてしまわないように、ナタリーも足を早めるのではないか。
少しばかりの期待を込めて先を急ぐが、そこまでの反応はない。
しかし俺はいろんな方法で試しみる。
それはナタリーの足を早めるためではなく、ひとときでも最悪の状態を想像しないように、気を紛らわせていたのだった。
続く
次回の話/激しくも美しい立ち居振る舞い
前回の話/心神喪失のナタリー
「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!