若気ノイタリーの回顧録 アフリカ最大の動物保護区で自走サファリ旅 -2
クルーガーに来るが!?
一台づつ、二重になった鉄のゲートをくぐり、いよいよクルーガー国立公園に入園。野生の王国に踏み入った。
そういえば、チケットを購入した際にいくつかの注意事項を告げられていた。つまりはこの公園内でのルール。代表的なものを紹介すると、
・野生動物に餌付けをしてはいけない。
・指定されたエリア(レストエリアなど)以外は車から出てはいけないし、車窓から体も出してはいけない。
・原則公園内を移動できるのはゲートが開いている5:30~18:30の間。
・宿泊できるのは各地のキャンプ地のみ。施設にもゲートが開いてる時間に到着していなければならない。
・舗装道路での最高速度は50km/hで、未舗装路は40km/h。道路に動物がいたら去るまで距離をとって待機。
といった内容。
あくまでも我々人間はお邪魔させてもらっている側。言うまでもなく不用意に動物を驚かせたり挑発するのも禁止。第一優先は野生なのだ。
僕は色んな角度から動物の姿を撮ろうと、12-24mmの広角ズーム、50mm、24-105mmの標準ズーム、70-300mmの望遠ズームと、4本のレンズを持っていったけれど、車内から出れないので結局は望遠ズームばかりを使うことになった。広大なサバンナを捉えようと新調した広角ズームに関しては全くのお荷物となってしまった。考えてもみなかったけれど、当然といえば当然か。
曇天のサファリ1日目
さて、前回の記事の最後に「鈴木が最初に出くわした動物はなんでしょう?」と問題を出させていただいていたが、正解は……。
入場ゲートをくぐって5分もしないうちに、ゆっくりと茂みの中を移動するシマウマの群れを発見。アクウィラ・サファリでも何頭も見ていたけれど、自分で発見した初の野生動物に興奮し、気がついたら何度もシャッターを切っていた。
しかし、振り返ってみるとシマウマはこの旅でもっとも目にした動物で、旅の途中からはシマウマを見かけても車を停めて観察することをしなくなっていた。慣れとは怖いものである。
ちなみにサファリでよく見かける哺乳類の大半は草食動物。肉食動物と違って安全そうに見えるが、シマウマは意外に気性が荒く人間にも懐かないらしいので、近くに来ても絶対に触れようとしてはダメ。お兄さんとの約束だ。
続いて見かけたのはサイ。これらはツノな長さや口の形から判断するに、世界最大のサイの種類であるシロサイ。彼らは温厚らしいけれど、オスの体重は2000〜3600kgもあるから、アタックされたら車とてひとたまりもないだろう……。
僕が入場したマラレナ・ゲート周辺は木が生い茂る丘陵地帯で、目を凝らして森の中を見ていると時折動物が潜んでいた。僕は捜索してくれる同行者もなく一人ぼっちだったので、ひたすら徐行しながらよそ見運転をするしかなかったが、だからこそ動物を発見できた時の感動もひとしおだった。
こちらは遠くに見えたインパラの群れ。思えば日本で野生動物が群れを成しているのを見たことがあっただろうか? いや、多分ない。
おそらくこの時が僕にとっては”群れ”ヴァージン喪失の瞬間だった。現地ではモブ扱いのインパラだけれど、意外と日本のサファリパークや動物園では飼育されていないようなので、日本人にとっては珍しい動物でもあるかもしれない。
つづく
問題:次回鈴木が出会って一番びっくりしたものはなんでしょう?