LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
自分とは違う発想

ビーチサイドのカフェテラスで昼からビールグラスを傾けるシンさんがいった。

「おもろい女の子やな」

「なんでそういう発想なのか、よくわかんないよ」

 

よく冷えたビールも確かに魅力的ではあったが、氷を使ったカクテルの方が優先順位が上だったので、俺はモヒートをオーダーした。

 

「おもろくないか?」

「シンさんの、おもろいという発想もわからないし、ナタリーの突飛な発想も理解できない」

「理解できたら、一緒にいる必要ないやん。自分とは違う発想するから、一緒にいて楽しいもんやろ?」

「普通は同じ感覚の人と一緒にいるもんだよ」

「その普通って感覚の方が、僕にはよく理解できへんなあ」

 

あの頃の俺には、とても理解できない考え方だった。

 

続く

前回の話/ナタリーの不意打ち

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。