LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
地獄で会おうぜ

漁師は投網を投げては引き戻し、また投げては引き戻しという作業を繰り返し続けている。

たくさんの魚は跳ねるが、狙いが定まらず、網に魚がかからないようだ。

投網も丸く広がらない。

きっとちょび髭の漁師もまだ、スピードポンチに酔っているのだろう。

 

「ターミネーター2よ」ナタリーが、ちょび髭の漁師が言ったセリフの映画を教えてくれた。

「本当に、その映画はまだ日本では公開されてない!」俺ははっきりと言い切った。

これは本当に本当のことだ。

「アーサーの言ってるのは、たぶん本当だ」シンさんはスキンカヤックの上から、助け舟を出してくれた。

 

「で、あのちょび髭が言ったのは、どういう意味?」

ジュリー、ケイト、ナタリー、シンさんの4人は顔を見合わせた。

そして穏やかそうなジュリーが、似合わない言葉を言った。

「地獄で会おうぜ、ベイビー」

 

続く

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最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。