LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
恐怖のなくなったジャングル

ビールが冷えているだけで、こんなにも美味しく感じるものなのか。

この世に、ビール以上に美味しいものがあるのだろうか。

 

そんなことを思いながら、俺はほろ酔い気分でジャングルを歩いた。

サーバーから注がれる冷えたビールと久々に出会っただけで、その感動は大きかったことを思い出していた。

 

まあ、久々と言っても、1週間にも満たないのは事実だ。

だが俺だけではなく、ケイトやジュリー、ナタリーやシンさんまでもが同じように「久々の冷えたビール」の感動を、いつまでも引きずっていた。

 

俺は特に、チケットの変更がうまくいったので、ビールもひたすら美味く感じた。

今にして思えば、このときが島滞在中、俺の幸せの絶頂だったに違いない。

 

3歩進んでは2歩下がるまったく進まない千鳥足。

オオトカゲという恐怖もいなくなったジャングルをゆっくりと進んでいった。

 

続く

次回の話/魅力的な時間

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最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。