キング アーサーのここだけの話
海を見つめるナタリー
あの日から、シンさんも夜にスキンカヤックを漕ぐのをやめた。
だからといって、俺たちのように昼からドラッグとセックス漬けだったわけではない。
陽が昇るとスキンカヤックで出かけ、明るいうちに戻ってくる。
心配するナタリーと約束を交わしたようだ。
同じバンガロー村に滞在し、一番近くにあるバンガロー同士だというのに、俺たちはすれ違いの生活となった。
バンガロー村にレストランはひとつしかないのに、俺たちとシンさんたちは一緒にメシも食わなくなった。
ケイトとジュリーは快楽を求め、ドラッグの量を増やした。
確かに上下がわからないほどドラッグが決まりすぎ、レストランへ歩いて行けない状態だったが、それは目指していた世界とは違ったようだった。
俺はバンガローを抜け出し、外の空気を吸いにいった。
そこには海を見つめるナタリーがいた。
続く
次回の話/音の鳴らないヘッドフォン
前回の話/フネに乗って、女のとこに
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