LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
月もなく、星空の美しい夜

満月の前日にこの島にやってきた。

楽しい日々は色々なことを忘れさせるが、月の満ち欠けは忘れていた日を思い出させる。

間もなくナタリーがこのバンガロービレッジを離れていく新月の日だ。

 

ナタリーは支払いを済ませ、俺が代わり泊まっているバンガローの家賃も期限切れとなる。

シンさんと出会ったバンコクで、島には2週間ほどの滞在とシンさんも言っていた。

この先シンさんとナタリーは一緒に島を出て、そのまま一緒に旅を続けるのだろう。

 

俺はそのときどうする?

一緒に旅を続けるというのは自然な流れでもあるし、このまま島に残るというのもありだ。

<どうする?>という自問に、答えはすでに思いついていたが、俺はふたりに聞かずにはいられなかった。

 

「もう新月だけど、シンさんとナタリーは、この先どうするの?」

月もなく、星空の美しい夜だった。

 

続く

次回の話/自由に向かって、逆方向へ

前回の話/サハラはええで

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最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。