ひと気がなくなってからゆっくりと列車を降りた。 ハーフドーム型のフアランポーン駅…

乗客が一斉に集まったため、乗降口は完全に詰まった状態。 降車に通常の倍の時間はか…

ルールを少し把握した俺は、人をかき分けながら、何とか自分の席に戻ってきた。 シン…

列車が完全に停車した。 停車した瞬間、左右に大きく揺れた。 さっきまで微動だにし…

これは日本人特有のクセなのだろうか。 それとも俺だけか。 景色が間もなく終着駅と…

拗ねているだけかもしれないけど、それでも自立しているナタリーの方がずっとマシだ。…

でも実際は気を使ったんじゃない。 俺一人では勇気が足りないだけだ。  …

重い空を見つめながら、ナタリーはついに重い口を開いた。 「大事なことは、自分の言…

そんな話をしてる場合かよ。 これって心通じてない人と会話がないときに切り出す奥の…

東京の下町に張り巡らされた都電でもこんなところは通らない。 バンコクへ近づくと、…

窓の外が殺風景になりだした。 もうすぐ大都市に着く。   といってもこ…

列車というのは不思議な空間だ。 客車にいれば、部屋にいるのと変わらず風景は変わら…

この国に列車の運行スケジュールなんてものが本当に存在するのかわからない。 遅れて…

俺の人生を左右することだ。 本来は、俺がきちんと話すべきだろう。 だが、俺にはそ…

だから彼女に会って直接聞かねば、というのが俺の今すべきこと。 バンコクのあのゲス…

人は多様性があり、たぶん男とか女とかの２つだけの性では分けられない。 いまだから…

シンさんが躊躇しているので、俺から言うことにした。 「あのアンジェリーナ・ジョリ…

シンさん、また誕生日がきたね。 今年はいままでになく、最悪の１年だったね。 それ…

シンさんからは、俺が思っていたとおりの言葉が返ってきた。 「アンジェリーナ・ジョ…

シンさんは彼女の存在を知っているのだろうか。 「誰だとしても、通訳を通訳をお願い…

もうバンコクに到着してもいい時間だというのに、列車は途中の駅で止まっている。 駅…

タイから陸路で韓国まで行く。 そもそもシンガポールからインドネシアを経由してマレ…

シンさんは日本へ帰るつもりなんだ。 それを早くナタリーに伝えてあげなければ。 と…

カンボジアって、安全なのか？ そもそもカンボジアへ、入国できるのか？ 国際連合の…

流れる景色。 １秒ごとにバンコクは近づいている。 １秒ごとに別れのときも近づいて…

２等席には紳士、淑女が集まっている。 シンさんはそう理解していた。  …

貧困層が２等席を利用しているといっても過言ではないように思えた。 それほど着衣に…

俺はシンさんと向かい合ったシートにやっと腰を下ろした。 ナタリーの言う通り、この…

ここが俺の居場所だ。 心地いい居場所なのだ。 シンさんとナタリーのところにいると…

列車の通路を１等から２等へと向かう。 １等車両と２等でどれほど違うのか、興味津々…

ゴミを集めるのを仕事にしている人の仕事を奪うことになるからゴミを片付けない。 そ…

人をさんざん待たせておいて、それでも駅での停車時間は変わらない。 待ち人だった旅…

コンクリートの地べたはすっかり俺の体温を吸収し、何度も位置を変えたせいでそこらじ…

プラスチックのパックに入った弁当を買うと、すべてを食い尽くすでなく８割がた食べた…

物思いに耽るにしては、あまりにも長すぎる時間。 俺たちはついに、駅で一夜を明かし…

列車が来ないことは、決して悪いことばかりではなかったようだ。 10分で来るはずだ…

もうすぐ列車はやってくる。 もうすぐだ。 もうすぐ。   俺はなんの根…

インターネットが普及している現代ならば、鉄道の時刻表を簡単に検索できるだろう。 …