キング アーサーのここだけの話
自由って、何だろうじっとしていると、どこからか聞こえてくる羽音。 それは現実なのか、幻聴なのか。 …
キング アーサーのここだけの話
魅力的な時間どれだけの蚊に襲われたことだろうか。 アルコールに溺れたまま、夕暮れのジャングル…
キング アーサーのここだけの話
恐怖のなくなったジャングルビールが冷えているだけで、こんなにも美味しく感じるものなのか。 この世に、ビール…
キング アーサーのここだけの話
目に見えぬ敵オオトカゲが去っていくのを俺はじっと見ていた。 目で追っていたのは俺だけじゃなく…
キング アーサーのここだけの話
真っ先に狙われるのはケイト残るは俺たち3人。 「私できない!」ジュリーは小さめだが、しっかり通る声で叫んだ…
キング アーサーのここだけの話
寄り道はいいけどオオトカゲに阻まれたルート。 ここは迂回すべきなのだろう。 誰もがそう確信してい…
キング アーサーのここだけの話
道幅いっぱいの厄介者格別じゃないと言った俺たちに反するように、シンさんは何杯ものビールをオーダーして…
キング アーサーのここだけの話
文明社会の味冷えたコカコーラにありつければ最高と思っていたが、このビーチリゾートでは冷えたハ…
キング アーサーのここだけの話
英語を理解してる?フライトの変更はいとも簡単だった。 電話オペレーターは下手な英会話に対応するとい…
キング アーサーのここだけの話
華やかなビーチリゾート引き返すべきなのか、それとも先に進みつつ、港へ通じる道を探すべきなのか。 誰も地…
キング アーサーのここだけの話
見覚えのない風景島に上陸した日、港からピックアップ・トラックに揺られながらバンガローまでたどり着…
キング アーサーのここだけの話
上機嫌なナタリー航空会社への問い合わせの英会話が理解不能になったら、代わってくれるとシンさんが言…
キング アーサーのここだけの話
高度な英語ができるかな?シャワーを浴び終えると太陽はすでに一番高いところへ昇っていた。 レセプションにあ…
キング アーサーのここだけの話
それでも俺は自由だ俺に声をかけるタイミングをいまだと考えていたのなら意地の悪い話だが、彼女にそんな…
キング アーサーのここだけの話
すべては自由になった本来の旅程では、俺はバンコクにいなくてはならないはず。 夜には帰国の途に着く予定…
キング アーサーのここだけの話
月明かりが照らすビーチ真夜中、トイレに起きた。 小さな寝息を立てるジュリーとケイトを起こさぬよう、俺は…
キング アーサーのここだけの話
水平線のさらに先今日はシンさんの誕生日だ。 出会ったころは可愛い女の子を見つけるとすぐに追っかけ…
キング アーサーのここだけの話
シリアスなタイミング俺は苦笑しながら言った。 「みんなでシンさんのこと心配してるこんなシリアスなタイ…
キング アーサーのここだけの話
地獄で会おうぜ漁師は投網を投げては引き戻し、また投げては引き戻しという作業を繰り返し続けている…
キング アーサーのここだけの話
アスタ・ラ・ビスタ・ベイビー海面が股下くらいまでくると、シンさんはやっとスキンカヤックに乗り込んだ。 海は急…
キング アーサーのここだけの話
どこまでも遠浅の海ほとんど波の立っていない、湖のように静かな海だった。 「どこまで行くの」ナタリー…
キング アーサーのここだけの話
ジュリーとケイトとともに入居あのあと、シンさんとナタリーに何があったのか知らない。 俺とジュリーとケイトに何…
キング アーサーのここだけの話
お持ち帰りできるかも女の子はふたりとも俺たち同様、やたらとハイテンションだった。 意気投合するまで、…
キング アーサーのここだけの話
ストライクすぎる女の子プラシーボが何であるかを教えなかったら、シンさんは物の見事にくいついてきた。 「…
キング アーサーのここだけの話
プラシーボって何や?早く流れる雲に月が隠される。 それでも届く明るい月光に、下界は怪しさを増していく…
キング アーサーのここだけの話
虚栄心も羞恥心もなくなった俺アルコールともまた違う心地よさを俺は感じていた。 群衆の中で、誰でもない存在とな…
キング アーサーのここだけの話
意味もわからずにいる俺日本人すべてがクレイジーだと思われたくない。 俺の心を包む壁は繊細だったが、つい…
キング アーサーのここだけの話
映画を字幕で観ている俺満月は高くなるほど明るさを増した。 ちょび髭の男、ナタリーとシンさん、そして俺と…
キング アーサーのここだけの話
ここから先は自由行動そのビーチは自分たちの会話がままならないほどの音楽と踊りに包まれていた。 「ここ…
キング アーサーのここだけの話
人里離れた場所その頃のハードリンビーチは、満月でない限り人が来ないようなジャングルの奥にある小…
キング アーサーのここだけの話
可愛くないアンサー夜を待たずして、ナタリーとシンさんも母屋のレストランにやってきた。 ほぼ2人同時…
キング アーサーのここだけの話
今夜からしばらく寝ない目を覚ましたのは、すでに西日が傾いている時間帯だった。 シンさんのバンガローから…
キング アーサーのここだけの話
監視に向くバンガローいまにも潰れそうになった重い瞼を、どうにかこじ開けながらシンさんは話していたが、…
キング アーサーのここだけの話
おとぎ話のような展開昨夕、シンさんがバンガロー前のビーチから漕ぎ出したのを確かに見届けた。 ナタリー…
キング アーサーのここだけの話
それはクジラなのかサメなのかマナー違反? そんなどうでもいいようなダサいことで悩んでいるうちに、シンさんは一…
キング アーサーのここだけの話
マナー違反の適用外か?朝陽が昇りはじめ、それまでぼんやりとしていたナタリーの輪郭がくっきりと浮かび上が…
キング アーサーのここだけの話
英語でなんて言う?考えてみれば、日本にいたときですら女の子を口説いたことなんて、ほとんどなかった。…
キング アーサーのここだけの話
笑顔のステキな女の子今夜、シンさんはバンガローに戻ってこない。 こんなチャンスは二度とないかも。 &…
キング アーサーのここだけの話
寝ずに舟を漕ぐオーナーが海を指差して言った。 「シンならあそこだ」 「ああ、組み立て終わったん…
キング アーサーのここだけの話
主人公は俺だ風の通るバンガローの母屋。 ひと雨降ったお陰もあり、その大屋根の下は熱帯雨林性気…