ドラッグとセックスしかない日々だった。 「スキンカヤックに乗ってれば、しょっちゅ…

本来は夜型の俺の生活が、昼型になった。 それは俺が望んだのではなく、ケイトとジュ…

その日はシンさんも、混沌とした世界に入り浸ったはずだ。 シンさんにはナタリーひと…

昨夜は一睡もしなかったというのに、続く日中もそのまま起きていることになった。 上…

シンさんが着岸するまでにはしばらくありそうだ。 シンさんがこっちへ戻ってきても、…

ナタリーは声を出さず、２本の指でＶサインを作った。 悲しみの淵をずっと彷徨ってい…

どれほど重い空気の夜を過ごしたことだろうか。 嗚咽するナタリーにかける言葉もなく…

水平線の彼方に消えていくより先に、周囲の暗さでシンさんのことを目で追えなくなって…

じっとしていると、どこからか聞こえてくる羽音。 それは現実なのか、幻聴なのか。 …

どれだけの蚊に襲われたことだろうか。 アルコールに溺れたまま、夕暮れのジャングル…

ビールが冷えているだけで、こんなにも美味しく感じるものなのか。 この世に、ビール…

オオトカゲが去っていくのを俺はじっと見ていた。 目で追っていたのは俺だけじゃなく…

残るは俺たち３人。 「私できない！」ジュリーは小さめだが、しっかり通る声で叫んだ…

オオトカゲに阻まれたルート。 ここは迂回すべきなのだろう。 誰もがそう確信してい…

格別じゃないと言った俺たちに反するように、シンさんは何杯ものビールをオーダーして…

冷えたコカコーラにありつければ最高と思っていたが、このビーチリゾートでは冷えたハ…

フライトの変更はいとも簡単だった。 電話オペレーターは下手な英会話に対応するとい…

引き返すべきなのか、それとも先に進みつつ、港へ通じる道を探すべきなのか。 誰も地…

島に上陸した日、港からピックアップ・トラックに揺られながらバンガローまでたどり着…

航空会社への問い合わせの英会話が理解不能になったら、代わってくれるとシンさんが言…

俺に声をかけるタイミングをいまだと考えていたのなら意地の悪い話だが、彼女にそんな…

本来の旅程では、俺はバンコクにいなくてはならないはず。 夜には帰国の途に着く予定…

今日はシンさんの誕生日だ。 出会ったころは可愛い女の子を見つけるとすぐに追っかけ…

俺は苦笑しながら言った。 「みんなでシンさんのこと心配してるこんなシリアスなタイ…

漁師は投網を投げては引き戻し、また投げては引き戻しという作業を繰り返し続けている…

海面が股下くらいまでくると、シンさんはやっとスキンカヤックに乗り込んだ。 海は急…

ほとんど波の立っていない、湖のように静かな海だった。 「どこまで行くの」ナタリー…

あのあと、シンさんとナタリーに何があったのか知らない。 俺とジュリーとケイトに何…

女の子はふたりとも俺たち同様、やたらとハイテンションだった。 意気投合するまで、…

プラシーボが何であるかを教えなかったら、シンさんは物の見事にくいついてきた。 「…

早く流れる雲に月が隠される。 それでも届く明るい月光に、下界は怪しさを増していく…

アルコールともまた違う心地よさを俺は感じていた。 群衆の中で、誰でもない存在とな…

日本人すべてがクレイジーだと思われたくない。 俺の心を包む壁は繊細だったが、つい…